辺野古承認取り消し訴訟 住民、効力停止の申請も検討


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 名護市辺野古の新基地建設に向けた仲井真弘多知事の埋め立て承認に対し周辺住民らが承認取り消しを求めて提訴する行政訴訟で、住民らは、国の埋め立て工事進行を止めるために承認の効力を一時停止させる申し立てを検討していることが6日までに分かった。

 訴訟は公有水面埋立法4条が定める要件のうち、事業が環境保全に配慮していることや国土利用上適正、合理的であることなどについて、これらに反した承認だとして県を相手に承認の取り消しを求める。
 行政訴訟の執行停止制度は民事訴訟の仮処分に類似した制度で、判決が出るまでに行政の行為が進むのを防ぐために定められている。原則として行政の執行は停止されないが、承認などの取り消し訴訟が提起されていることや重大な損害を避けるために緊急に必要であることなどを要件として、裁判所は停止の決定を下せる。仮に今回、承認の効力を一時停止させる申し立てがなされ、裁判所がこれを認めた場合、承認に基づく国の埋め立て工事も一時停止される。
 取り消し訴訟の原告団と弁護団はこれから結成されるが、原告団予定者と弁護団予定者が9日に県庁で会見を開き、訴訟の概要や日程を発表する。原告は「辺野古違法アセス訴訟」の原告団に加わっている辺野古周辺住民が中心となる見込み。承認の取り消し請求訴訟は15日にも那覇地裁に提訴する方針。
 辺野古埋め立てについては、日本弁護士連合会も2013年11月に「公有水面埋立法により承認される要件が欠けている」などとして、国の承認申請撤回や県知事の不承認を求める意見書を発表している。