普天間の辺野古移設 知事「反対したことはない」


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年頭のあいさつで埋め立て承認の理由を説明する仲井真弘多知事=6日午前、県庁

 仲井真弘多知事は6日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立て申請を昨年末に承認したことについて、「(辺野古移設は)実現可能性の問題で非常に厳しいと言ってきたが、反対したことはない」と述べ、辺野古への新たな基地建設自体には反対しないとの考えを重ねて示した。

その上で、政府が工期短縮を検討している新基地が早期に完成した場合、承認に際して主張した県外への普天間の分散移転は要らなくなるとの考えを示唆した。県職員向けの庁内放送で年頭あいさつをした後、記者団の質問に答えた。
 知事は「工期が短縮されれるなら早期の辺野古移設も考えているか」との質問に対し、「(沖縄の)基地を全国である程度担ってもらえばうれしいが、仮に5年でできれば(県外への分散移転は)原理的にいらなくなる」と述べた。
 政府に求めた普天間の5年以内の運用停止などの基地負担軽減策の実効性が疑問視されていることについては「(実効性の)説得力が薄いという批判には断固反論したい」と強調した。
 埋め立て承認後も県外移転を求めていることについては「承認したが辺野古移設は時間がかかる。だから県外に移すのが早いという、これまで言ってきたこととぴたり一致する。何も公約と違っていない」と公約違反には当たらないとの考えを重ねて示した。
 さらに知事は「任期満了まで働くのは当然だ」と述べ、2期目の任期が切れる12月まで職務を務める意向を強調。次期知事選に出馬するかについては「関係者の意見を聞きながら決める」と述べるにとどめた。
 知事は年頭あいさつで、移設先となる名護市の地元久辺3区や市民に対し「苦労をお掛けするが、ご理解とご協力を賜りたい」と呼び掛けた。