那覇市議会、辺野古承認に抗議 「公約と矛盾」指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 那覇市議会(安慶田光男議長)は6日、臨時会を開き、仲井真弘多知事が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、埋め立てを承認したことに抗議する意見書を賛成多数で可決した。知事の埋め立て承認で県内の議会が意見書を出すのは初めて。

 意見書では、仲井真知事の要望に対する安倍晋三首相の回答について、「担保力のない口約束にすぎない」と指摘。知事の「140万県民を代表して感謝する」との発言に対しては「県民の思いと大きく懸け離れたもので、県民の落胆は計り知れない」と批判した。
 さらに「知事のこれまでの辺野古問題に関する公約や議会答弁などと承認は全く矛盾する」と強調。知事への抗議と同時に、政府に対して辺野古移設断念を含めた基地負担軽減策の早急な実行を要請するよう求めている。意見書は仲井真知事と安倍首相に送られる。
 採決は電子表決システムで行われ、議長を除く有効投票数39に対し、賛成33、反対5、欠席1だった。反対したのは自民・改革・無所属の会の久高友弘氏、山川典二氏、宮里光雄氏の3氏と無所属の坂井浩二氏、奥間亮氏。宮里氏は反対討論で「首相の発言は口約束ではない。内閣総理大臣の発言として重く受け止め、発言に沿った努力に期待する。現職知事への抗議は意見書になじまない」と主張した。
 奥間氏は自民新風会(9人)に所属していたが「知事の行政手続きに抗議することはできない」と反対。残る8人は賛成した。自民新風会は奥間氏を除く8人が「新風会」に会派を改め、奥間氏は無所属となった。