『菊池亜希子ムック マッシュ vol.4』 菊池亜希子著


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シェフの気まぐれサラダ的
 「ファッションも、カルチャーも、旅も。菊池亜希子責任編集・全く新しいファッション&エッセイ誌」。これは2012年に創刊されたムック『マッシュ』のキャッチコピーなのですが、いやいや責任編集つってるけど、菊池亜希子ちゃんって言ったら今や多忙な女優さん。雑誌づくり、どうせ片手間っしょ?って思ってました。が、すげえ。編集長に加えて、スタイリングに原稿、モデルにイラストまで。その仕事量たるや、無理だよ~、です。しんどいよ~、ですよ。疑ってごめん。

 しかしながら、その「しんどさ」は、雑誌から1ミリも染み出ていません。それどころか、インディーズ感? やりたい放題? 治外法権? シェフの気まぐれサラダ? そんな自由さが存分に出ています。だって、今回の特集テーマをご覧下さいよ。「バカ」って! 雑すぎやしませんか。バカ特集……。呼ばれた方も若干微妙……。
 世に出回っている多くの雑誌って、もっと商品化されてると思うんです。だってマスメディアなわけだから、マスに伝えられなきゃ意味がない。だけど、あっこ(『マッシュ』での菊池さんの愛称)は、商品にしようなんて意識、たぶんきっと、1ミリもない。マイワールド全開です。ゆえに、菊池亜希子という女性のセンス、審美眼、感性と、雑誌が直結していて、唯一無二の雑誌になっている。
 読み手からしたら雑誌って、情報を得るための手段のひとつだと思うのですが、彼女にとっての雑誌は、表現の手段なんだろうな。その奔放っぷりは、ときに読み手を驚かせるほど。今号であっこさん、豆大福をいっぱい紹介しているのですが、そのひとつを「ふわふわマシュマロ赤ちゃんみたい」と表現しています。豆大福を表現するのに、マシュマロ……自由だな!
 (小学館 1238円+税)=アリー・マントワネット
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アリー・マントワネットのプロフィル
 アリー・マントワネット 出版社でOLをしつつ、ライターとしても細々と稼働中。ファッション、アイドル、恋愛観など、女性にまつわる話題に興味あり。尊敬する人物は清水ミチコ。趣味はダイエット、特技はリバウンド。
(共同通信)

菊池亜希子ムック マッシュ vol.4 (SHOGAKUKAN SELECT MOOK)
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