枯れ葉剤調査を 読谷村、防衛局に要請


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 【読谷】猛毒ダイオキシン類を高濃度で含む枯れ葉剤が、1968年ごろに読谷村にあった軍用犬訓練場で定期的に散布されていたと米国退役軍人が証言したことを受け、読谷村は10日、沖縄防衛局に対し、事実関係や現地の環境を調査するよう文書で要請した。

 要請書は「村民への被害や不利益が発生する可能性がある。散布現場が嘉手納弾薬庫内であることから、国の責任において納得のいく対策を迅速に講じるよう強く求める」としている。
 村が求めたのは(1)事実関係の調査(2)現場の環境調査(3)当時の枯れ葉剤の貯蔵・使用履歴の究明(4)村内米軍施設での有害物質の貯蔵・使用実態の公表―の4項目。
 枯れ葉剤は猛毒のダイオキシンを含む。ベトナム戦争に派遣され枯れ葉剤を浴びた元米兵らに健康被害が発生している。県内でも散布・貯蔵されていた疑いが持たれている。
 米国政府は「県内の米軍基地で枯れ葉剤が貯蔵された証拠はない」などと否定している。これまで日本政府も、米側が否定していることを理由に独自調査を拒んできた。