「雪払い」美しく 真境名律弘の会公演


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「雪払い」を演じる真境名律弘(右)と仲村圭央=12月22日、浦添市の国立劇場おきなわ

 「真境名本流 真境名律弘(のりひろ)の会 能羽(ぬふぁ)」が12月22日、浦添市の国立劇場おきなわで開かれた。同流の芸風を後進に伝えようと、律弘が還暦の節目に弟子たちと出演した。真境名由康初代家元の台本による組踊「雪払い」や、由康の創作舞踊「わたんじゃー舟」など9演目を披露した。

 「雪払い」では仲村圭央が思鶴、伊野波盛人が乙樽、律弘が実母の亡霊、山崎啓貴が亀千代、名嘉山佑一が伊祖の子を演じた。弟子たちは踊りはきれいだが、唱えが不明瞭で違和感のある者も見られた。
 律弘はそのほか、「諸屯」「辻花」「八重瀬の万歳」を踊った。創作「辻花」は、由康の琉歌に真境名由苗二代目家元が振り付けた。
 曲は「花笠節」と「梅の香り」。独特の足さばきをはじめとしてしなやかに舞い、遊女の哀愁ある美しさを醸し出した。
 明治の頃の渡し船を描写した「わたんじゃー舟」は、子豚売りや僧侶、魚売りなどさまざまな人物をユーモラスに演じた。