名護市長選 幹部を続々投入 各政党、取り組み強化


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 【東京】19日の名護市長選について、各政党は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の成否を左右する重要な選挙だとして強い関心を寄せている。移設に向けた埋め立て事業では、名護市側との事前調整や市の許可が必要な工事もある。各党は選挙終盤に向け取り組みを強化している。

 自民党は移設推進を打ち出す無所属新人で前自民県議の末松文信候補を推薦しており、建設業者など支持基盤固めを徹底する戦術を展開する。小泉進次郎復興政務官らが応援で名護に入り、今後も小渕優子元少子化担当相らが街頭演説を行う予定だ。石破茂幹事長ら党幹部も訪問を予定している。
 安倍晋三首相(党総裁)は周辺に「できることは全てしていく」と語っており、党は今後も公明党などに支援を働き掛ける考えだ。
 公明党本部は9日、普天間の県外移設を掲げている県本部が市長選を自主投票で臨むとした方針の了承を見送った。移設推進の末松氏を支援する自民党に配慮した形だが、党本部は「地元の意向は無視できない」として、県本の自主投票方針を黙認する方向だ。
 一方、共産、生活、社民の野党各党は、移設の阻止を掲げる無所属現職の稲嶺進候補を推薦している。告示後、市長選についてのマスコミ各社の世論調査などで、稲嶺氏が先行していると報道されたことに対して野党各党は楽観論を警戒し、一層の引き締めを図っている。共産、社民両党からは「この選挙はそれほど甘くない」「油断すべきでない」といった声が上がっている。
 これまでに共産の市田忠義書記局長、社民の福島瑞穂副党首らが応援に入っており、さらに吉田忠智社民党首らが沖縄入りを予定している。ただ運動で各党の色合いが強くなりすぎれば、稲嶺氏を支援する市民団体や女性票などが離れかねないとして、配慮していく構えだ。
 一方、民主党や日本維新の会は市長選を自主投票とする方針を決定。維新関係者は「表だった行動はしないが、独自の活動を展開していきたい」と話した。