「沖縄の状況 不公平」 カズニック氏、ロシア番組で解説


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ピーター・カズニック氏

 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】世界各国で放映され、米国内でも外国放送局として2番目に多い視聴者を持つモスクワのテレビ局「RT」が14日、米軍普天間飛行場返還・移設問題を約10分間にわたり報じた。

 普天間飛行場の即時・無条件返還を求める声明を8日に発表した海外識者の一人で、アメリカン大学教授のピーター・カズニック氏が出演し、「世論調査で常に県民の7~8割が県内移設に反対している。在日米軍専用施設の74%、在日米兵の半数が沖縄に集中している」などと解説。「沖縄は不公平な状況に置かれている」と述べた。
 カズニック氏は沖縄では基地の集中で環境汚染や事件・事故、騒音などの被害が多発していると説明した。「基地による経済的恩恵もある」との声に触れ、1972年の日本復帰時には基地関係収入が県民総所得に占める割合は15%だったが、現在は5%にまで低下したと指摘した。
 一方、沖縄本島の20%を米軍基地が占拠しているとも紹介し、「利益に比べて被害の方がよほど大きい」と強調した。
 8日の識者声明については「知事が公約を破り、県民が裏切られたので発表した」と説明した。