チョムスキー氏がメッセージ「未来、県民が決定を」


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ノーム・チョムスキー氏

 米国やカナダ、オーストラリアなどの著名な有識者や文化人のグループが発表した沖縄の海兵隊基地建設を非難する声明で、呼び掛け人に名を連ねた言語学者のノーム・チョムスキー氏が16日までに本紙を通じ、メッセージを寄せた。

「沖縄は平和な世界を構築するため価値ある貢献ができる。沖縄の未来は県民が自主的に決めるべきだ」と述べ、沖縄の「自己決定権」確立に向けてエールを送った。
 声明はロシアのテレビ局が報道するなど、世界的に反響が広がっている。
 チョムスキー氏は米政府の外交・安全保障政策を「覇権主義」と批判してきたことで知られる。政治や社会問題を扱う著作も多く、2005年に「世界最高の論客」に選出されるなど、言論界で影響力を持つ。
 声明に関して同氏は、普天間飛行場の名護市辺野古移設を進めようとする日米両政府に対し「沖縄県民の人命や環境に恒常的に重大な危険をもたらしてきた」と述べ、沖縄が日米の安保政策の犠牲を強いられてきたと指摘した。
 その上で「米軍の支配から自由になろうともがいている人々を支援する国際的な取り組みに参加することができたことを喜ばしく思う」と述べ、引き続き沖縄の問題を注視する考えを示した。
 声明には同氏のほかアカデミー賞受賞の映画監督オリバー・ストーン氏、北アイルランド紛争の解決に尽力したノーベル平和賞受賞のマイレッド・マグワイア氏ら29人が賛同している。
英文へ→Noam Chomsky: ‘Okinawans have every right to seek a future’