石破氏「名護に基金」 名護市長選で現地入り


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応援演説で500億円の振興基金について述べる石破茂自民党幹事長=16日午前、名護市大北

 【名護市長選取材班】自民党の石破茂幹事長は16日、名護市に約500億円規模の振興基金を立ち上げる意向を明らかにした。名護市長選で立候補している末松文信氏の応援演説で述べた。

さらに「夢を実現するためには確たる財源が必要だ。安倍政権として全面的に支援し、公約実現を図る」と述べた。
 政府と一体の地域振興をアピールし、市民に理解を求め、米軍普天間飛行場の移設を進める狙いがある。
 石破氏は、報道陣から「末松氏が当選した方が移設がスムーズに進む考えか」と問われると「そうでしょうね」と答えた。
 さらに稲嶺進氏が再選した場合の基金設置には「今の市長がどのような考えか存じ上げていない。わたしは末松氏からの要請で答えた」と言葉を濁した。12日に「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べた発言については「地元の理解はいらないとは言っていない。政府が責任を負うということだ」と弁明した。
 末松陣営は、石破氏が掲げた振興基金を遊説で強調。来県した自民党の額賀福志郎元財務相は同基金に触れ、基地関連交付金などで「特段の配慮をしないといけない」と訴えた。末松氏は「解決するべき課題はたくさんある。基金を活用して新しい名護市をつくり、北部全体の活性化を図りたい」と述べた。
 石破氏の発言を聞いた稲嶺氏は街頭で「相手陣営の応援で中央から入る大物が口にするのは金、金、金だ。金と権力で名護市や市民をも否定するやり方で(基地建設を)迫っている」と厳しく批判した。記者団に対して「振興策、基金で市民の気を引こうとしている。金権政治そのものだ」と強調した。