文科相「八重山は一つ」 竹富分離に否定的


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 【東京】八重山教科書採択問題で、県教育委員会(宮城奈々委員長)が文部科学省に採択地区の分割について見解を求めたことに対し、下村博文文部科学相は17日の記者会見で「八重山地区は地理的、社会的条件や関係自治体との規模などから、一つの採択地区として設定すべきだ」と述べ、分割案に否定的な考えを示した。

 文科省は昨年11月の教科書改革実行プランで「採択地区の設定単位を『市町村』に柔軟化する」ことを発表した。県教委は今回の質問書で、竹富町に是正要求を行うことを求めた文科省の指導について「改革実行プランの方向性に反するのではないか」と疑義を呈している。これに対し、下村文科相は、文科省が採択地区を市町村単位に変更できるよう現在検討しているのは「市町村合併の進行などに伴うものだ」と強調。「共同採択の協議が難航した場合に、採択地区を分割できるものではない」と述べ、八重山地区には適用されないとの考えを示した。
 県教委の質問書に対しては「照会に対しては丁寧に答えたい」とし「法律上の義務に従って速やかに是正の要求を行ってもらいたい」と述べ、2013年度内に是正要求するよう求めた。
 諸見里明県教育長は「文科省から正式な回答が来た上で、県教委で協議したい」と述べた。県教委の富川盛武委員は「今回提出したのは、あくまでも質問書。国に従うか従わないかの二分法ではない。判断するのは県だ」と話した。