首里城の「御内原」4施設復元 王家の生活空間


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一般公開を前に、報道陣に公開された「奥書院」(手前左)、「黄金御殿」(手前右)など。右奥が正殿=17日午後、那覇市の首里城公園

 首里城正殿の裏手に広がり王族のプライベート空間だった「御内原(うーちばる)」の一部建物の復元工事がこのほど完了した。国営沖縄記念公園事務所首里出張所は17日、24日の開館に先立ち復元施設を報道陣に公開した。

国王や王妃の居室であった「黄金御殿(くがにうどぅん)」、調理場のあった「寄満(ゆいんち)」、国王の身の回りの世話役が詰めた「近習詰所(きんじゅうつめしょ)」、国王が執務の合間に休憩した「奥書院」の4カ所が往時の姿を現した。
 御内原は女性たちが取り仕切り、国王とその家族以外は男子禁制という「内」の空間。資料が乏しく、建物構造など不明な点が多い。学識経験者で構成する復元建物等検討委員会が設計し、工事費約8・5億円をかけて2011年10月から復元工事を開始した。今回の復元で黄金御殿内に特別展示室を整備し、王府の美術工芸品などを展示する。
 24日午前8時半から一般入場が可能になる。首里城公園では25、26の両日に開館記念イベントとして、神女や王府役人が首里城内の御獄を巡拝した「百人御物参(ももそおものまいり)」の儀式を再現する。