知事、困惑の表情 末松さん敗北「手応えあったが」


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困惑した様子で記者会見に臨んだ仲井真弘多知事=19日午後9時50分すぎ、那覇市の知事公舎

 末松文信さん(65)の落選が確実となった19日午後10時前、那覇市の知事公舎玄関に現れた仲井真弘多知事(74)は「この何日か手応えを感じていたので、ちょっとあれっという感じが強い」と困惑気味に語り、意外な結果と言わんばかりの表情を見せた。

辺野古新基地建設阻止を示した地元民意の評価を避け、自身が下した辺野古埋め立て承認判断への影響についても「今からどうこうできない」と言葉を濁し、会見は約10分で打ち切られた。
 会見は末松さんの落選の弁を待って開かれたが、仲井真知事は開票途中で詳しい票差が明らかでないことを理由に「まだ(落選の)実感がない」などと強調、質問への明確な答えを避けるやりとりが続いた。
 埋め立て承認以降、県民は不信感を増幅させ、県議会は辞任要求を突き付けた。進退を問われると「質問の意味が分からない」と憤り、辞任を否定した。体調を崩した一方、選挙戦には旺盛に駆け付けた。19日昼には末松さんの選挙事務所を訪れて激励したが、夜は公舎にひっそりとこもっていた。