NIE実践県指定校の伊平屋小学校(堀越泉校長、児童数98人)は毎週木曜朝の「NIEタイム」に全学年で取り組んでいる。記事の読み聞かせや意見を書く活動を通し、「島発ち」に備えて世の中の出来事に関心を広げ、自分の意見を伝える力を養うのが目的だ。
伊平屋村教育委員会は同校の希望を受け、各学年に毎日1部ずつ新聞が届く予算措置を講じており、学校と行政が連携して子どもたちが新聞に慣れ親しみ、学ぶ環境づくりを支えている。
6年生18人は18日、那覇市の琉球新報社であった第4回おきなわNIEセミナー(県NIE推進協議会主催)の公開授業に臨み、書く力や意見を述べる力を生き生きと発信した。記事を紹介し合った後、付箋紙数枚に意見をすらすらと書き込む児童の姿に、参加者らは感心した様子だった。
6年生は4月からNIEタイムで「新聞ツイッター」の活動を続ける。1週間分の新聞から気になった記事を選んで付箋紙に自分の意見を書き、選んだ記事の重要度を考えて話し合い、順位を決める活動だ。
ほかにも親子で記事に関するお互いの考えを書く家庭学習などに取り組み、要約する力や多様な視点に気付く力も養っている。
担任の佐久間洋教諭(NIEアドバイザー)は「4月は意見を3行ほどしか書けなかったが、キーワードを出すことから始めた。まずは教師が『こんな話題がある』と提示して、作品を必ずチェックすることが大事だ」と説明した。
毎日15分間新聞を読む習慣が身に付いた6年の西江喜希君(12)は「最初は自分の意見がうまく表現できなかったが、今はきちんと書けるようになった」と話した。
比嘉晴海さん(11)は名護市長選の記事について「この選挙は沖縄の未来がかかっていると思う。なぜなら辺野古に基地ができたら一生、残るからだ。今の子たちが大人になった時に問題になる」と書き「大人は子どもたちの未来を考えてほしい」と話した。