グアム移転「一括」か 米太平洋軍司令官「新基地完成後」


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 【ワシントン23日=島袋良太本紙特派員】ロックリア米太平洋軍司令官は23日の記者会見で、在沖海兵隊のグアム移転計画は普天間飛行場の代替基地完成後に実行されるとの見方を示した。辺野古移設に伴う仲井真弘多知事の埋め立て承認を挙げ、在日米軍再編は「積極的な方向に動いている」との認識を示したが、移設に反対する稲嶺進名護市長の再選には言及しなかった。

 日米両政府が昨年4月に発表した米軍基地の返還・統合計画では普天間返還について2022年度以降とし、海兵隊のグアム移転に伴う施設の返還は24年度以降と記載していた。
 一方、両政府はグアム移転計画に関して12年の米軍再編計画見直しで、従来は「一括」で行うとしていた辺野古移設とは切り離して進めることで合意しており、ロックリア氏は再び「一括実施」に戻す可能性を示唆した形だ。
 同氏は「普天間の代替基地が完成すればグアムやハワイなどアジア太平洋地域で海兵隊を再配置できる」と述べた。
 知事承認をてこに、「積算や工程がずさん」だとしてグアム移転の予算計上に厳しい立場を取り続ける米議会を説得する狙いもありそうだ。