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民謡「汗水節」、原詞と楽譜発見 作詞の仲本さん遺品に

 【八重瀬】汗水節(あしみじぶし)の“心”を正確に-。沖縄の代表的な民謡の一つ汗水節が作られた1920年代当時の歌詞と楽譜がこのほど、発見された。汗水節は長年県民に口ずさまれる中で、作られた当時の歌詞や曲調からは一部変わってきているという。

作詞者の故仲本稔さん=旧具志頭村、現八重瀬町出身=の息子で、父の遺品の中から歌詞と楽譜を発見した薫さん(68)=町具志頭=は「今回の発見を機に原曲通りに歌ってほしい」と呼び掛けている。
 仲本さんは28年、県が昭和天皇即位を記念して募集した民謡選に歌詞を応募し、入選を果たした。この歌詞に八重山出身の宮良長包が曲を書いて汗水節となった。薫さんが発見した歌詞と楽譜は29年に県が官公庁に配布するために作られたもので、専門家は「作曲した直後の楽譜で正しい内容が記されている」と判断した。
 宮良の研究を行う沖縄キリスト教短期大の大山伸子教授らによると、戦後歌い手のアレンジなどで歌詞や曲調の一部が当初の歌と変わっているという。しかし戦火でほとんどの資料が消失したため、これまで正確な歌詞や曲調が伝わりにくかった。大山教授は「戦後に発刊された工工四などでは汗水節の拍子は4分の2だったが、新たな楽譜では4分の4となっている。歌い方も曲調も違ってくる」と驚いた。今後は演奏会や作曲集などを発刊する際は原曲通りに発信していくとした。
 薫さんは23日、八重瀬町の具志頭農村環境改善センターで贈呈式を開き、発見した歌詞と楽譜6部のうち、1部を宮良の故郷・石垣市に寄贈した。薫さんは「この発見を契機に原曲の普及を進めたい」と力を込めた。
 歌詞と楽譜は2月11日~5月11日まで、八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館で展示される。入館は有料。問い合わせは(電話)098(835)7500。


汗水節の歌詞と楽譜を石垣市教委代理の三木健さん(中央)に贈呈する仲本薫さん(右)、八重瀬町の金城隆雄教育長=23日、同町

曲が作られた翌年の1929年に配布された「汗水節」の楽譜と歌詞