献血不足長期化 10代、20代の減少続く


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 病気や交通事故の輸血で必要となる赤血球製剤が不足する状況が県内で続いている。2012年度は県外の血液センターから400ミリリットル献血約3千人分相当の6065単位を譲り受けた。13年度は1月28日時点で約2500人分を譲り受けており、昨年度を超えるペースだ。

県赤十字血液センターは「10~20代の献血離れが背景にある」と分析。高校への出張献血や講演会を実施し、若年層の献血増加に取り組んでいる。
 国と赤十字の調べによると、若年層の献血離れの影響で、30年に全国で124万人分の献血が不足する。
 県赤十字血液センターは高校に出向いて献血を呼び掛けるほか、輸血体験者が講話する献血教室に力を入れる。12年度は39校に献血バスが出向き、高校生1376人が献血した。
 高校での献血は、ほとんどが卒業前の1、2月に集中する。このため同センターは実施時期の分散を各校に呼び掛けている。
 赤血球製剤の不足分は主に九州ブロックの福岡から空輸で県内に送られる。同センター献血推進課は「九州から血液を譲り受けるのは申し訳ない。県内の献血でゆいまーる(助け合い)の精神を発揮してほしい」と強調した。

<用語>献血基準
 男性は17歳、女性は18歳、体重50キロ以上で400ミリリットルの全血献血ができる。全血献血を遠心分離して赤血球と血漿(けっしょう)に分け、うち赤血球を「赤血球製剤」と呼ぶ。他県と過不足分をやりとりする調整基準として200ミリリットルを1単位、400ミリリットルを2単位と計算している。県内の献血は那覇市のくもじ献血ルームと各地を回る献血バス3台で行っている。

県内年代別献血者数の推移
県内赤血球製剤の需要状況推移