「ミーユイ」誕生 琉球絣事業協同組合


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球絣事業協同組合が新しい絣の布地として開発した「新結(ミーユイ)」=28日、那覇市のリウボウホール

 琉球絣(かすり)事業協同組合(南風原町、野原八重子理事長)は、今までにない琉球絣の新しい布地として「新結(ミーユイ)」を開発した。従来の絹と違って綿を使用しており、洋服やハンカチなど身の回り品などに活用できる。新たな需要を開拓し、伝統工芸品への誘導商品として位置付ける。

 南風原町内の工房で技術の担い手として働く30代~50代の6人が約1年間かけて開発した。既存の琉球絣よりも糸が細く、柔らかい肌触りが特徴。布地は糸の細さで選別した3種類で、染色には絹の琉球絣と同じくゲットウやフクギを使用している。
 開発者の1人、大城哲さん(50)は「ミーユイは洋装など新しい展開ができる。2014年度は流通ベースに乗せられるようにし、ミーユイを基盤に琉球絣を広めていきたい」と語った。洗濯もでき、日常で気軽に着用できる琉球絣として売り出していく。
 一括交付金を活用した担い手経営戦略事業の一環。琉球絣に携わる事業者や生産額は年々減少しており、新製品を機に琉球絣をPRする狙いだ。
 県の担当者は「琉球絣として、綿の生地を使ったシャツなどは今までになかった。琉球絣を洋服として独自で展開していこうという考えで、新しい取り組み」と評価した。今後はミーユイのPRも含め、販路拡大へ向けて後押ししていくという。
 ミーユイは、那覇市パレットくもじのリウボウホールで開かれている琉球絣事業協同組合の成果展示会で紹介し、注文も受け付けている。2月3日まで。