鳩間小中、4月にも小学生ゼロ 「受け親」で転入募る


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 【鳩間島=竹富】竹富町鳩間島の鳩間小中学校(石垣幸子校長)の小学生が来年度からゼロになる可能性が出ている。島唯一の学校が廃校になることも考えられるため、同校や鳩間公民館などが学校に通わせるため児童、生徒を一時的に預かる受け親制度を活用して転入生を募集している。

 同校の児童数は現在小学生5人、中学生5人だが、来年度に異動が見込まれる教職員の子どもが多く、転勤に伴って小学生はゼロになる予定。転入生がいなければ来年度は中学3年生3人だけになる見込みで、3人が卒業すれば小学校だけでなく中学校を含めた廃校の危機が迫る。
 鳩間島は人口約60人。学校の存続は長年の課題で、中学校は1974年4月から84年3月まで廃校。2009年にも一時児童数がゼロになった。
 廃校の危機を乗り越えるため、島民は里親制度を使って児童養護施設などから児童の受け入れも行った。問題を抱えて学校になじめなかった児童生徒も、少人数学級による指導や島の人々との触れ合いで学校生活を楽しめるようになり、卒業していったという。
 だが高齢化が進み、認可を必要とする里親が減少。現在は島での生活を希望する子どもを預かる「受け親」制度で児童を募っている。
 鳩間島公民館の通事建次館長は「島にとって学校は希望だ。09年に児童がいなくなった時は島中が暗くなった。廃校は何としても避けたい」と強調した。
 同校の石垣校長は「大人の事情だけで子どもを島に送ってはいけない。子どもの世界が最優先」と強調した上で、「島の生活は不便なこともあるが、その分、夢や希望を持てる。体験入学を受け付けているので一度、学校を見に来てほしい」と訴えた。
 同問題はフリーライターの羽根田治氏が管理するホームページ「鳩間島通信」でも取り上げている。URLはhttp://www.media-paradigm.co.jp/~hatoma/
 児童受け入れの問い合わせは鳩間公民館の通事館長(電話)0980(85)6166。