日米は県民の声尊重を OKINAWAへ海外識者メッセージ(3)


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ジョン・フェファー氏(フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス共同代表)

◆ジョン・フェファー氏(フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス共同代表)
 辺野古移設に反対する稲嶺進名護市長が再選したのはとてつもないニュースだ。太平洋の向こうから沖縄を応援している人たちをさらに後押しするだけでなく、この闘いの二つの重要な根底を再確認する出来事だからだ。

 まず一つはこの選挙は民主主義における自己決定権の下、市民が決断を下したという点だ。日米政府はこれまで沖縄に解決策を押し付けることはしないと説明してきた。そして何度も何度も、沖縄の人々は地域、市町村、県全体のあらゆるレベルで声を上げてきた。
 そこから分かることは、県民は米軍基地を増やしたり、島の中で右から左に移動したりすることではなく、減らすことを望んでいるということだ。そして今回の市長選の結果は、直近でその意志を示した、唯一の民主的な決断だ。仮に日米政府が今後も民主国家を標榜(ひょうぼう)していきたいのならば、彼らはこの結果を認識すべきだ。
 二つ目は金との関係だ。基地の存在を支持する人たちはしばしば、米軍駐留による経済的利益に言及する。それは幾つかのビジネスでは確かに事実だ。だが世の中は金が全てではない。名護市長選や世論調査は多くの市民が金よりも大事にすべき価値があると考えていることを示した。市長選の終盤で自民党は500億円の名護振興基金設立に言及し、移設推進派の候補への投票を誘導した。にもかかわらず市民は「賄賂」になびくことはなかった。
 米国は沖縄での基地の影響を縮小すると約束し、沖縄の民主的な希望を尊重するとも約束してきた。そして県民は再び声を上げたのだ。時は来た。ワシントンはその声を聞かなくてはならない。(随時掲載)
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 ジョン・フェファー氏 米国際問題専門シンクタンク「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」共同代表
英文へ→It’s time, finally, for Washington to listen