台湾「2・28事件」で県内被害者の会結成


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「2・28事件」の県内出身犠牲者の冥福を祈って黙とうする参加者=29日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 1947年に台湾で推計2万人以上の死者を出した「2・28事件」の県内犠牲者遺族や支援者でつくる「台湾2・28事件、真実を求める沖縄の会」(青山恵昭代表世話人)の結成会が29日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。

犠牲者遺族ら約30人が参加した。同会は今後、台湾政府への犠牲者認定申請や証言者の調査などに取り組み、事件の真相究明を目指す。
 同会の前身となる「2・28事件沖縄委員会」の調査によると、現在判明している県出身犠牲者は青山恵先さん、仲嵩実さん、石底加禰さん、大長元忠さんの男性4人。遺族らはこれまで台湾政府に報告書を提出し、犠牲者認定と賠償を求めていたが、台湾以外の犠牲者を補償する法律がなく、賠償期間も2007年に終了したことから、暗礁に乗り上げていた。
 その後に台湾で賠償期間の延長を求める声が強まり、昨年5月に台湾立法院は賠償期間を17年まで延長する法律を可決した。これを機に県出身者遺族は「被害者の会」を結成し、あらためて台湾政府に犠牲者認定と賠償を求めることになった。
 台湾の基隆で行方不明となった仲嵩実さん(享年30)の遺族・清子さん(73)=浦添市=は「事件で闇に葬られた犠牲者を闇から救い出すことが遺族の強い願いだ。諦めることなく活動することが犠牲者の供養になる」とあいさつし、事件の真相究明を誓った。