国際物流で成長を おきぎん経済研10周年シンポ


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国際物流をテーマに開かれた「おきぎん経済研究所創立10周年記念シンポジウム」=29日、那覇市のANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー

 おきぎん経済研究所(出村郁雄社長)は29日、「国際物流で沖縄の未来を拓く」と題して創立10周年記念シンポジウムを、那覇市内のホテルで開いた。貿易業者や運送業者、行政など国際物流に携わる当事者が参加、国際物流拠点として今後は海運機能の充実が重要との認識が相次いだ。

輸出手続きの煩雑さや沖縄での加工型備蓄倉庫の必要性も訴えた。県国際物流推進課の玉城恒美課長は「海上ネットワークを拡充する方向で後押ししたい」と課題解決へ意欲を示した。
 アジアで飲食店を展開し県産品の輸出も手掛けるえんグループの又吉真由美代表は、さらなる海外展開に向けて「沖縄から香港への船の直行便を再開してほしい」と求めた。生産者には「市場でどう売るか構想が足りない」と要望した。
 食品製造などのジェイシーシー(JCC)で貿易を担当する千心心(せんしんしん)主任は、昨年の沖縄大交易会プレ交易会を通じて新たな販路が開かれたと説明した。今後の展開には「付加価値を付けた商品開発、ブランド化が必要」と指摘した。その上で「商社がもっと増えればいい」と話した。
 交易会実行委員会事務局長の安里昌利県経営者協会会長は「競争力ある国際物流拠点のためには利便性が必要。スピードと安全・安心、コストの統合力を備えた拠点を目指さなければならない。そのためには船便が重要だ」と強調した。
 沖縄ヤマト運輸の赤嶺真一社長も登壇した。討論会に先立ち、沖縄国際大学の富川盛武教授が「沖縄の可能性と発展戦略」と題して基調講演した。