白梅同窓会と沖尚高地域研究部 沖縄戦語り継ぎ交流10年


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「毎年慰霊の日には後輩の学習に参加し、見守っている」と話す新垣由紀さん=1日、那覇市天久の琉球新報本社

 沖縄戦当時、傷病兵看護に動員された元白梅学徒隊による「白梅同窓会」(中山きく会長)と沖縄尚学高校地域研究部の交流が10年目を迎えた。次世代へ沖縄戦体験を継承するため2日、バスツアー「白梅学徒隊の足跡めぐり」が行われる。学びやがあった那覇市松山公園の県立二高女跡を出発し、動員された八重瀬町の野戦病院跡をめぐる。

 2004年、高校2年生の時に白梅同窓会と知り合った新垣由紀さん(26)=那覇市=は、交流を通して「モンペとかばんの生地を合わせておしゃれを楽しんだ話を聞いた。同じ感覚を持つ10代の女子として思いを重ねて戦争を考えることができた」と振り返る。砲弾をくぐり抜けながら用を足しに行く際も、死を覚悟したという話に衝撃を受けた。
 新垣さんは「もともとは戦争や人の死という重い現実を受け止めるのが嫌だった」という。しかし、03年のイラク戦争をきっかけに「戦争について知らなければ」という思いに駆られた。所属していた地域国際交流クラブ(現地域研究部)のメンバーに声をかけ、白梅同窓会との交流につながった。
 新垣さんは高校生が戦争を考え、継承する意義について「高校生同士なら、同じ立場や目線で純粋に戦争を考え、伝え合える」と強調する。「後輩が交流を続けてくれて感謝している。今後も語り継いでほしい」と思いを語った。