名護市議会、知事承認に抗議意見書 10議会が可決


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仲井真弘多知事の辺野古埋め立て承認に抗議し、撤回を求める意見書を可決する名護市議会=3日

 【名護】名護市議会(比嘉祐一議長)は3日、臨時会を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を推進する政府に激しく抗議し、県内移設断念と普天間の早期閉鎖・撤去を求める意見書と、仲井真弘多知事による辺野古埋め立て承認に抗議し、撤回を求める意見書を、それぞれ賛成多数で可決した。

 昨年末の仲井真知事の埋め立て承認を受け、今年に入り同様の抗議の決議や意見書は、知事の辞任要求に踏み込んだ県議会の他、今回の地元名護市を含めて県内九つの市町村議会が可決している。
 このほか渡嘉敷村議会が14日に意見書の可決を予定するほか、3月の定例会で採決を予定する議会もある。2月中旬に採決を予定している県町村議会議長会の動き次第では、知事承認への抗議・撤回要求や辺野古移設反対の動きがさらに広がる可能性がある。
 名護市議会の知事承認撤回を求める意見書は、昨年12月に安倍晋三首相が示した基地負担軽減策に仲井真知事が「驚くべき立派な内容で140万県民を代表して感謝する」と発言したことを「県民の総意と大きく懸け離れており、県民代表の資格はない」と厳しく批判。1月19日の名護市長選で移設に反対する稲嶺進氏が再選した民意を重く受け止めるべきだと強調した。
 二つの意見書は移設に反対する与党系市議14人が共同提案し、公明2人も賛成に回った。自民党系の野党議員9人は反対した。
 稲嶺市長は記者団に「市民を代表する形での抗議で、議会の意思として非常に重たいものだ」と述べた。
 名護市以外ではこれまでに那覇市ほか嘉手納、北谷、西原、八重瀬、読谷、中城の各市町村議会が県内移設断念や埋め立てを承認した知事に抗議する意見書などを可決した。北中城村議会は県議会と同様に、知事の辞職を求める決議を可決している。
→名護市議会 知事の辺野古埋め立て承認撤回を求める意見書全文