自衛隊配備で説明会 与那国町初単独主催


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住民説明会で自衛隊配備の利点を説明する外間守吉町長(左端)=4日、与那国町構造改善センター

 【与那国】与那国町は4日、自衛隊配備に関連する住民説明会を町構造改善センターで開いた。防衛省と共催した説明会は過去に2回開いているが、町単独の説明会は初めて。外間守吉町長は、自衛隊配備に伴う人口増や災害救助体制の構築など利点を挙げ「備えあれば憂いなし」と配備に協力する考えを説明し、「デメリットは反対派との軋轢(あつれき)だけだ」と述べた。

 町側は、施設の概要や配備計画の進行状況に加え、自衛隊配備を踏まえた「新たなまちづくりビジョン」を策定する必要性を説明した。説明会は2時間にわたり、約1時間半を質疑応答に充てた。住民は約110人が出席した。
 外間町長は「(自衛隊配備に伴い)隣国との緊張を生むという指摘があるが、国境の島である与那国で安心安全な暮らしを実現するには許容範囲だ」と説明。「先島はシーレーンの要で経済、防衛で重要な地域であることは間違いない。即、紛争に発展することはないと思うが、尖閣諸島沖での漁船衝突事件などがあり、隣国には誤解を与えないようにしないといけない」と話した。
 オスプレイの飛来や米軍との共同使用については反対する考えを表明した。「有事の際の避難行動はどうするのか」との住民の質問には「有事の際の避難は国の専権事項なので具体的な説明はできない」と話した。
 住民からは「住民の反対署名を無視して誘致を進めたのはなぜか」「国との確約がないまま振興策を示している」など批判が相次いだ。