市町村国保赤字98億 2012年度、過去最大


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県国民健康保険課は5日、2012年度の市町村国保の財政状況を発表した。一般会計からの法定外繰入金を差し引いた単年度実質収支は約98億8900万円の赤字となり、赤字額は対前年度比で約27億4千万円増加した。

統計のある10年度以降、最大の赤字額となった。伊平屋村と与那国町を除く39市町村が赤字となり、うち35市町村が一般会計からの法定外繰入金で赤字額を補てんしている。繰入金総額は約77億3700万円に上り、記録の残る1997年度以降過去最高額となった。多くの市町村が他会計からの繰り入れに頼らざるを得ない厳しい財政状況が続いている。
 県は医療費が増え続ける一方、多くの市町村が国保会計の主な収入源となる保険税(料)を据え置いたままにしていることが、赤字増大の要因とみている。県は「国保加入者は低所得者や高齢者が多く、保険税の増額が厳しい。国保制度の仕組みに構造的な課題がある」と話している。
 保険税(料)の収納率は前年度より0・65ポイント上昇し92・68%だった。