糸満のわらべ歌、13集落18曲教本とCDに


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 【糸満】糸満市立西崎小学校合唱部はこのほど、市内の各集落に伝わるわらべ歌を集めた教本とCDを製作した。わらべ歌の継承を目的に、合唱部と保護者らが協力して作った。教本には市内13集落で採譜した18曲が収録されている。

15日午後1時半から市内の学校教諭や保護者を対象にした講習会が市役所3階で開かれ、児童らの合唱や歌に合わせた遊びが披露される。
 2012年に市内で開催された「全国豊かな海づくり大会」で合唱部が「糸満ハーレー歌」を歌ったことを契機に、消えつつあるわらべ歌に保護者らが目を向け、教材化を思い立った。
 わらべ歌は、市内在住の作曲家・杉本信夫さん(79)が数十年かけて、集落のお年寄りから聞き取り採譜した。糸満市市民提案型まちづくり事業補助金を受け、教本とCDを各100セット作った。
 児童らはわらべ歌の合唱中、円になってグルグル回ったり、通せんぼをしたりする「遊び」を独自に考案している。大度集落に伝わる「とーとーめー まんぐるぐる」は児童らが手をつないで円になり、グルグル回りながら歌う遊びだ。
 部長の佐久本詩音さん=6年生=は「自分たちで遊びを考えるのは楽しい。15日は皆の心に残るような演奏がしたい」と意気込んだ。合唱部顧問の前津元子教諭は「わらべ歌で子どもたちの感性が磨かれ、世代間のコミュニケーションにも役立つ。また集団で遊ぶので社会性も育まれると思う」と強調した。

わらべ歌を歌いながら遊ぶ児童ら=4日、西崎小
糸満市内のわらべ歌を集めた教本とCD