百人一首で全国入選 砂川さん(八重商工)祖父の思い出 詠む


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受賞を喜ぶ砂川明香さん=6日、石垣市の八重山商工高校

 【石垣】第27回現代学生百人一首(東洋大学主催)で、八重山商工高校商業科3年の砂川明香さん(18)の作品が一般の部入選作品100首に選ばれた。祖父との思い出を和歌にした砂川さんは「自分の思っていることがそのまま伝わったと思い、うれしかった」と受賞を喜んだ。

 作品は「じーじーの三線片手よみがえる過ごした記憶しずくがぽろり」。8歳のころ亡くなった祖父の形見の三線を弾くと、一緒に過ごした日々を思い出し涙がこぼれるという感情を素直に表現した。「じーじー」は砂川さんが幼いころ使っていた祖父の呼び名だ。
 砂川さんが物心ついた時から祖父は病と闘っていて、外で遊んだ記憶はないという。その代わり、一緒に三線を弾いて遊び、その影響で砂川さんも三線を習いだした。
 祖父の口癖は「やーなれどぅ、ふかなれー(家での習いは外でも出てしまう)」。今でも胸に留めているという。
 祖父の死後は三線を形見にもらい、趣味で三線を続けている。来客があるたびにはやりの歌を三線でアレンジして披露している。卒業後は福岡大学に進学することが決まっており、「三線を持って行って文化を伝えたい」と意気込んでいる。
 和歌は国語の授業で制作に取り組み、何度かコンクールに応募したことがあるが、入選は初めて。当初、下の句の最後を「涙がぽろり」としていたが、音の響きや印象を考え、「しずくがぽろり」に変更した。
 砂川さんは「曲は習っていないが、三線を弾いたことが祖父との一番の思い出。受賞は正直、驚いた。思いが伝わり良かった」と話した。