先島にNICU 新生児に24時間対応 宮古、八重山病院


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 県病院事業局が低体重児や病気を患う新生児を24時間体制で治療する新生児集中治療室(NICU)を県立宮古病院、県立八重山病院に設置することが7日、分かった。医療の質向上と医療スタッフの負担軽減が目的。NICU設置は先島地区で初めて。

宮古病院は4月1日に開設し、八重山病院では年内の早い時期に開設を目指している。同事業局は宮古・八重山病院を高度な医療を提供する「地域周産期母子医療センター」として認定されることを視野に入れている。
 NICU設置に伴い増員されるのは、両病院とも小児科医師1人と看護師6人。両病院では新生児室の隣に低体重児や病児に対応する部屋をつくり、NICUに相当する治療を実施してきた。だが医療スタッフの配置数が少なく、施設基準を満たせなかった。
 また小児科医が午前0時まで勤務し、夜間は緊急時に呼び出すオンコール体制だったため、現場の負担が大きかった。八重山病院の本竹秀光副院長は「少ないスタッフで治療に当たってきたが、人員が増えれば負担が減り、安心して働ける」と歓迎している。
 2014年度はNICU設置に伴う増員を含め、県立5病院で職員定数を80人増やす。内訳は医師38人、看護師42人。主な配置は救急医療体制を充実させるために救急・産科・小児科医師を計27人増員する。
 内訳は北部病院4人、中部病院6人、南部医療センター・こども医療センター7人、宮古病院6人、八重山病院4人。ICUと一般病棟の中間的な機能を持つ高度治療室(HCU)を宮古病院と八重山病院に新たに設け看護師を各5人配置。北部病院は既存施設を増設し、看護師5人を追加する。
 県は80人の定員増を盛り込んだ「県職員定数条例の一部を改正する条例案」を県議会2月定例会に提出する。

<用語>新生児集中治療室(NICU)
 専任医師が24時間常駐し、新生児3人に対して看護師が1人以上配置されている。呼吸や循環機能などを管理する機器を整備し、厚生労働省の施設基準を満たす施設。低出生体重児や重症の病気を患った新生児に対して、24時間体制で専門医療を提供している。