普天間5年内停止 岸田外相、米高官に一切提案せず


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7日、ワシントンの米国務省で共同記者発表をする岸田外相(左)とケリー国務長官

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】岸田文雄外相は7日、米ワシントンでケリー国務長官、ヘーゲル国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と相次いで会談した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について、岸田氏は米側に「決意を持って着実に進めたい」と伝達した。

一方、仲井真弘多知事が昨年末の辺野古埋め立て承認に当たり要求した、普天間飛行場の5年以内の運用停止については、米側に内容を説明せず、日米間協議についても提案しなかった。
 岸田氏は米軍再編を所轄するヘーゲル氏との会談で、知事承認などを挙げ「米軍再編は大きく前進した」との認識を伝えた。その上で「知事が幾つか基地負担軽減策を要望している」と述べた。
 岸田氏はその「一例」として、日米地位協定に環境条項を追加する知事要望を挙げたが、外務省関係者によると、普天間の5年以内の運用停止は言葉に出して説明しなかった。
 ケリー、ヘーゲル、ライスの3氏は知事の埋め立て承認を評価、歓迎する考えをあらためて伝えた。ヘーゲル氏は「負担軽減に関する日本の努力を支持、支援する」と応じた。
 ケリー氏との会談で岸田氏は、米軍基地内の環境保全策について、地位協定を補足する特別協定の締結に向け、11日にワシントンで初交渉を行うことで合意した。岸田氏は会談後の記者会見で「早期妥結に向け取り組んでいく」と強調した。