辺野古で全国知事アンケート 「政府支持」2県


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 米軍普天間飛行場の返還・移設問題に関し、琉球新報は9日までに全国都道府県知事アンケートを実施し、名護市長選で同市辺野古への移設に反対する現職が再選された直後に移設作業を強行した政府の対応などについて聞いた。回答を寄せた43道府県中、市長選直後に移設作業を開始した政府の対応に肯定的な意見は2県にとどまったが、40道府県が明確な態度を示さなかった。

普天間問題に対して距離を置く姿勢がうかがえるが、自由記述では政府に慎重な対応を求める意見も目立った。
 政府が説明している在沖米海兵隊の「抑止力」に関する質問では、海兵隊が抑止力として「機能している」「ある程度機能している」と答えたのは埼玉、福岡など5県にとどまった。
 アンケートは名護市長選後の1月下旬から2月上旬まで、沖縄を除く46知事を対象に行った。期間中に知事選があった長崎と東京のほか、福井を除く43道府県が回答を寄せた。
 市長選直後に移設作業を開始した政府の対応を「支持する」としたのは山梨、「やむを得ない」を選んだのは高知。一方、鳥取は「疑問があり、慎重に対応すべきだ」と回答した。
 大半は明確な態度を示さなかったが、自由記述では地元の理解を得るよう求める意見なども目立つ。愛知は「国の責任で大局的見地から判断すべきだが、地元自治体、住民の意向は大変重要」、宮崎は「沖縄県民の十分な理解と合意の上で慎重に対応されるべきだ」と回答。静岡は「基地移転問題で沖縄への米軍基地の集中は限界の様相を呈している。新しい方向性を模索すべきだ」と求めた。
 一方で「外交・防衛政策は国の専管事項であり、まずは国が責任を持って解決を図るべきだ」(岡山)などと、基地問題は国が責任を持つべきだとして評価を避ける意見も多い。
 名護市が拒み続けた場合の移設先について、山梨は「現行計画通り移設作業を進めるべきだ」と回答。残る42知事は移設計画を進めるべきか、再考すべきかなどの判断を明示せず、「国が責任を持って対応すべきだ」(群馬)、「普天間飛行場の早期返還が図られるべきだ」(青森)などの意見を寄せた。
 国防の負担に対する考え方では「国民全体の課題として議論すべきだ」といった意見があった半面、政府から普天間移設を提案された場合に受け入れる方向で検討するとした回答はなかった。
(内間健友)