高額工芸品を常設展示 銀座わした、地下1階を改装


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 県は、県物産公社が運営する東京銀座のわしたショップの地下1階を改装し、高額伝統工芸品の常設展示拠点を設ける方向で検討している。展示に会わせ、工芸職人を派遣して制作実演や制作体験を行い、東京を拠点に沖縄の伝統工芸品を国内・海外にPRする考えだ。

 常設展示場は畳などを整え風格を出すことで、高級感を演出する。織物や漆器、陶器などを展示し、じかに伝統工芸品に触れる機会を増やす。県産土産物品などを取りそろえた1階と差別化し、富裕層の需要を取り込む。
 県は、都内で伝統工芸品のPRを約2年前から実施してきたが、期間が限られているため、十分なPRができていなかった。展示場を常設することで、消費者の声を積極的に取り込み、新たな販路拡大や市場ニーズに応じた製品開発の活性化を目指す。県内の伝統工芸品は、生産額・担い手ともに年々減少しており、経営状況の厳しさが懸念されている。生産額は最も高かった1982年度の約57億円に比べ、11年度は約33億円に落ち込み、事業所数も、1420カ所から700カ所に半減している。