辺野古の新基地 F35運用も想定 防衛局職員が言及


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辺野古新基地への飛来が予想される米最新鋭のF35Bステルス戦闘機(米軍ウェブサイトから転用)

 米軍普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古の新基地で、米軍が米最新鋭のF35Bステルス戦闘機の離着陸を想定していることが13日までに分かった。在沖米軍基地の視察や調査のため県内を訪れた田村順玄岩国市議に沖縄防衛局の職員が認めた。新基地を戦闘機が利用する可能性を政府関係者が認めたのは初めて。

琉球新報は発言の意図について、沖縄防衛局に質問しているが13日までに回答はない。
 12日、沖縄防衛局を訪れた田村氏が、同局職員に対して同機が辺野古新基地に飛来するのかと質問したところ、同職員は「運用上多分可能だ。あり得ると思う」と答え、同機が飛来する可能性に言及した。
 新基地でのF35B戦闘機の運用について、沖縄防衛局は、これまで琉球新報の取材に対し「米国政府は普天間飛行場代替施設から戦闘機を運用する計画を有していない」と否定していた。
 辺野古新基地建設に向けた環境影響評価でもF35Bや戦闘機の離着陸を想定した住民生活への影響は調査されていない。
 F35B戦闘機は垂直離着陸が可能な機体。米海兵隊は米軍再編のためのロードマップ(2006年)によると、17年までに国内の配備が予定され、米軍岩国基地所属のAV8ハリアー攻撃機の後継機として交換配備される見通し。米国外で初めて岩国基地に配備されるほか、政府は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)として滑空離着陸型のF35Aの導入を検討している。
 辺野古の新基地には強襲揚陸艦ボノムリシャールが接岸できる護岸建設が予定されている。田村氏は「ボノムリシャールはハリアーの離着陸も可能なので、F35の離着陸もできる。辺野古新基地が完成すると、艦船とF35を含めた一体的な運用が進み、徹底的に軍事利用されるのではないか」と指摘した。(池田哲平)

<用語>戦闘機F35
 レーダーに捕捉されにくいステルス性を持つ。空母艦載が可能で汎用(はんよう)性が高い。メーカーはロッキード・マーチン社。冷戦期の主力だったF15などの後継として次世代型(第5世代)と呼ばれる。米軍は2035年までに約2400機を購入予定。日本の次期主力戦闘機(FX)の候補の一つ。F35Bは垂直離着陸が可能。