危険物全6種合格 陽明高の豊里君が快挙


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
危険物取扱者試験乙種の全類に合格し、喜びを語る豊里嘉康君(中央)=6日、浦添市大平の陽明高校

 陽明高校(盛山泰秀校長)介護福祉科3年の豊里嘉康(よしやす)君(18)がこのほど、危険物取扱者試験乙種第2類に合格し、高校在学中に第1類から6類までの全資格を取得するという快挙を成し遂げた。6類全てに合格するのは専門高校以外では珍しく、同高校では初めて。

豊里君は「卒業までに6類全てに合格するのが目標だった。うれしい気持ちもあるが、卒業に間に合ってとにかくほっとしている」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 乙種危険物取扱者は、指定の危険物の取り扱い、定期点検、保安の監督ができる資格。第1類では酸化性固体、第2類では可燃性固体など、各類で取り扱い可能な危険物が異なる。
 豊里君が危険物取扱者試験に挑戦し始めたのは、高校2年時の春。介護福祉科に在籍しながら危険物取扱者試験に挑戦したきっかけは「化学に興味があったから」。試験対策の早朝講座に通い、毎日の家庭学習は深夜に及ぶことも。「移動教室の時も、参考書を肌身離さず持ち歩いていた」とはにかむが、介護の勉強もおろそかにせず、訪問介護員2級の資格を取得している。
 中学校では不登校で、思うように勉強できなかったと振り返る。「思いついたら即行動する性格」で、高校入学と同時にエイサー同好会を立ち上げた。昨年の舞台祭では、自身が振り付けた演舞をクラス全体で踊り、クラスを最優秀賞へと導いた。週末はアルバイトに励みながら、受験勉強、資格勉強とエイサーの練習を両立させた。
 将来の夢は看護師。「高齢者向けの地域医療を学びたい」という思いから、春には奄美大島にある専門学校へ進学する。「次の目標は看護師の国家資格に合格すること。エイサーで周りを笑顔にできるような看護師になりたい」と、満面の笑みで目標を語った。