県議会が知事「承認」追及へ百条委緊急動議を可決


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知事辞任と名護市辺野古への新基地建設断念を求め、県庁包囲行動に参加した人々=14日午後0時20分すぎ、那覇市の県庁前広場

 県議会の2月定例会が14日招集された。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた仲井真弘多知事の埋め立て承認について、野党側が「県民への説明責任が全く果たされていない」として、承認の経緯を審議する調査特別委員会(百条委員会)を設置する緊急動議を提出し、社民、県民ネット、共産、社大の野党4会派と中立会派そうぞうによる賛成多数で可決した。

県議会での百条委設置は識名トンネル工事の虚偽契約問題に関する設置以来2年ぶり、3度目。
 野党・中立系会派は1月の臨時会で仲井真知事の辞任要求決議を可決させている。百条委には承認を撤回させたり知事を解職したりする法的権限はないが、県外移設公約を事実上翻した知事への追及と辞任への圧力を強める構え。百条委には証人として知事、さらに稲嶺進名護市長らを参考人として招致する考えだ。
 設置が決まった後の本会議で仲井真知事は辺野古移設に関連し「私の言葉足らずで県民にさまざまな心配をおかけした。(埋め立て申請を承認した)自分の判断の根拠やこれによって実現できる危険性除去などをしっかり説明したい」と述べたが、県外移設などについて言及はなかった。昨年の11月定例会での欠席についても陳謝した。
 一方、自民、公明県民の与党2会派は「(埋め立て承認は)百条委設置にそぐわない」「代表質問などでの答弁を聞いた上で設置を判断するべきだ」などとして設置に反対した。
 設置決定を受けて最初の百条委が開かれ、委員長に當間盛夫氏(そうぞう)、副委員長に仲村未央氏(社民護憲)を互選。審議日程も決めた。19日から土日を除く24日までの4日間、集中調査を実施し、知事を呼ぶ予定。百条委が加わったことで定例会の会期日程も変更となり、3月28日までの43日間とすることを議会運営委員会で確認した。
 百条委設置をめぐる与野党の攻防で議事進行が大幅に遅れ、午前の予定だった知事の県政運営方針演説は午後10時すぎにずれ込んだ。県議会の周辺では、正午から知事の辞任と埋め立て承認撤回を求め、主催者発表で約2千人が参加した県庁包囲行動が行われた。
 知事は本会議で総額7239億円の一般会計当初予算案や改正条例案など全87議案を提案した。提出したのは予算案36、条例案39、議決事項12の各議案。
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