基地内学校で化学物質 低濃度、米軍調査 ドラム缶発見現場隣接


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 【沖縄】米軍返還跡地の沖縄市サッカー場からダイオキシン類を含むドラム缶が発見された問題で、米空軍嘉手納基地は14日までに、サッカー場に隣接する基地内の小中学校で採取した土壌と大気から低濃度のベンゼンやアセトンなど複数の化学物質が検出されたことを公表した。同基地の公式ホームページ上に報告書を掲載し、「健康上の懸念を示すような数値ではない」と結論付けた。

 嘉手納基地は沖縄防衛局が実施している汚染ドラム缶の発掘調査で、隣接する基地内学校への影響がないか確認するため、1月に環境調査を実施した。小中2校の敷地から土壌13検体、大気7検体を採取。米国環境保護庁(EPA)が有害と定める化学物質約750種などの含有量を調べた。報告書では検出した化学物質の濃度が低いとし「(沖縄市の)発掘調査による影響はない」とした。
 一方、土壌検体は地下約15センチでしか採取しておらず、調査の精度に保護者から疑問の声が上がりそうだ。
 ホームページでは、サッカー場返還前の使用履歴なども公表。過去の使用状況について「馬小屋があり(学校の)運動場がある場所は乗馬場として使われていた」とし、「ドラム缶を埋めた記録はない」と説明した。