東日本大震災の津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」などを材料に使ったバイオリンの演奏会と被災地支援を考えるシンポジウム「千の音色でつなぐ絆」が14日、那覇市の沖縄タイムスホールで開かれた。被災3県出身の沖縄在住者が登壇、震災の記憶を風化させないための方策や沖縄からの支援の在り方などを話し合った。主催はTsunami Violin Project委員会。
シンポジウムで、2011年5月に沖縄に避難してきた沖縄福島県人会の大橋文之さんは「福島では原発事故の影響で外で遊べない子もいる。少しの期間でも沖縄で保養してもらう活動に取り組んでいる」と報告した。
バイオリンは、日本ヴァイオリン博物館(東京都)の中沢宗幸理事長が「奇跡の一本松」や流木などを材料に制作。中沢さんは「音楽には心に寄り添う力がある」とあいさつした。演奏会ではバイオリン奏者の阿波根由紀さんが流木のバイオリンで11曲を弾いた。演奏に合わせて、那覇市立天久小学校合唱部が「ふるさと」と復興支援歌「花は咲く」の2曲を歌った。