肥満解消に野菜を 健康長寿へ提言 新報食育フォーラム


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健康長寿の復活に向けて討議する参加者ら=8日、宮古島市のホテルアトールエメラルド宮古島

 【宮古島】8日に宮古島市内で開かれた新報食育フォーラム(琉球新報社主催、キユーピー協賛)では、沖縄の健康長寿を取り戻すための多くの提言があった。基調講演した医学博士でみどり健康管理センター(大阪)の徳永勝人所長は「肥満は合併症のある疾病だと考えて専門家に相談してほしい」と提言。討議では、肥満解消や野菜摂取の重要性などが指摘された。

 討議は「取り戻そう健康長寿 正しい食生活でうぷばた(大きいお腹)解消!」をテーマに行われた。沖縄野菜プロジェクト協同組合の岡田郁子代表を進行役に、徳永さん、管理栄養士で県栄養士会宮古栄養士部会の細田実会長、保健師で宮古島市生活環境部健康増進課の仲宗根美佐子さんの3人が登壇した。
 仲宗根さんは市町村別生命表(平均寿命)を2005年と10年で比較すると、県全体の平均寿命が伸びた中で、宮古島市は男女ともに縮んだことを紹介した。体格指数(BMI)が30以上の住民の割合が男女ともに全国平均の約3倍いるとし「肥満は男性だけの問題ではない」と訴えた。
 細田さんは県民の野菜摂取量が1日当たり約250グラムと全国と比べて少ない一方、長寿1位の長野は同380グラム取っているとし「野菜(の摂取量)と健康は関連している」とした。
 また子どもの朝食欠食が多いことに触れ「子どもは食事の選択ができない。大人の問題だ」と語った。
 参加した幸地キヨさん(65)は「昔は食べ物が選べなかったが、今は何でも食べられるようになった。何を選ぶかが大切だとあらためて感じた。今回知ったことを友人らにも話したい」と笑顔で語った。