代償大きい飲酒運転 事故で後遺症の宮城さん


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飲酒運転による事故で負った後遺症を説明し「俺みたいになるな」と語る宮城恵輔さん=6日、宜野座高校

 【宜野座】2005年に酒に酔った状態でオートバイを運転して事故を起こし、左半身まひなどの後遺症を負った宮城恵輔さん(29)が6日、宜野座高校で講演した。飲酒運転で五体満足の体を傷つけ、家庭までを失った宮城さんは「俺みたいになるな。頼む」と何度も訴えた。

 動かない両腕を垂らし、左足を少し引きずって登場した宮城さん。3年生100人が宮城さんの話を真剣な表情で聞いていた。
 宮城さんは、21歳の誕生日、北谷町のクラブで友人と酒を飲んだ後オートバイを運転し、宜野湾市内で米軍基地のフェンスに激突した。左半身まひとなり、右肩の肩甲骨を失った体は、日常的な介護を必要とした。
 「大黒柱の責任を果たせない」と、同級生の妻と生後3カ月だった娘の将来を案じ、離婚を選んだ。
 生かされている意味も分からない日々の中、昨年10月に飲酒運転根絶県民大会で登壇したのを機に「自分と同じ思いを誰にもさせたくない」と体験を語り続けることを決意した。支える側になりたいと引きもこり支援相談士の資格も取得し、人生を歩み直している。
 最後に宮城さんは、生徒らを見詰め、「今の夢は飲酒運転をゼロにすること。自分一人ではできない。みんなも協力してほしい」と力を込めた。
 講演を聞いた宮城剛伸君は「飲酒運転の代償の大きさを考えさせられた。自分の行動に責任を持って生きていきたい」と語った。