県立芸大大学院で組踊を学んだ女性立方でつくる女流組踊研究会めばな(山城亜矢乃代表)の旗揚げ公演が7日、浦添市の国立劇場おきなわであった。「組踊『二童敵討』と鑑賞あれこれ」と題し、女性だけで組踊に挑んだ。
立方は山城、伊佐幸子、与那嶺綾子、與那嶺奈津子、新里春加、西村綾乃、浦崎えりかが出演した。阿麻和利役は奈津子。見せ場となる名乗りで力強い声や目線を心掛けたが、迫力が物足りなかった。若衆の鶴松(新里)、亀千代(西村)と、母(綾子)は女性らしい美しさ、みずみずしさがあった。
地謡は女性地謡の会しほらの一部会員に加え、金城恵美、安田まり子、賀数さやかが務めた。母と子の別れの場では透明感のある歌声で悲哀を表した。
公演は県伝統芸能公演の一環。組踊の前には「女特牛節」「高平良万歳」の舞踊2題と、「二童―」のダイジェストを披露した。
按司役をどう表現するか、男性地謡と共演する時に音域をどちらに合わせるかなど課題は多い。舞台を重ね、女性だからこそできる組踊の確立を期待したい。