福島で「鎮魂の響き」 照喜名ら震災犠牲者を慰霊


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 東日本大震災の犠牲者を慰霊しようと、国内各地から伝統芸能の第一人者が集う公演「鎮魂の響き」(おにぎりプロジェクト委員会主催、邦楽サロンとみ庵共催)がこのほど、福島県郡山市の郡山ユラックス熱海で開かれた。琉球古典音楽の人間国宝・照喜名朝一と、琉球箏曲興陽会師範の名嘉ヨシ子も出演した。

 照喜名らは昨年3月、東京で同様の公演「鎮魂のうたまい」に出演した。食育などの活動をしている「おにぎりプロジェクト委員会」の佐藤三郎代表が「鎮魂のうたまい」に感動し、福島公演を企画した。
 「鎮魂の響き」で照喜名は「祈りのうた」(岡野弘彦作詞、中村明一作曲)の歌三線を担当。津波を生々しく描写しており「死すれこそ 人は祈りて ひたぶるに生く」と歌い上げた。照喜名は「戦後の沖縄を思い出した。沖縄でも開催し、被災地から避難している人に聞いてもらえたらいい」と話した。
 「鎮魂の響き」には、10日に亡くなった人間国宝の尺八演奏家・山本邦山も出演していた。照喜名は「素晴らしい演奏で涙を拭く観客もいた」と振り返った。