環境部見解重視を明記 11月の審査中間報告


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 県の土木建築部海岸防災課と農林水産部漁港漁場課が昨年11月12日に仲井真弘多知事に提出した辺野古埋め立て申請書審査状況中間報告書には、特に環境保全への配慮について、「環境生活部の見解を基に判断する」という方針が明示されている。

 環境生活部は「生活や自然環境保全への懸念が払拭(ふっしょく)できない」との意見を同月29日に提出したが、結果的に仲井真知事の埋め立て判断では尊重されなかった。
 中間報告書のまとめでは、申請書判断のポイントとして、埋め立てが国土利用上適正かつ合理的かについて「飛行場供用による騒音問題やジュゴンへの影響」を挙げた。
 環境保全への配慮については「環境影響評価書に対し、生活や自然環境保全は不可能とした知事意見」を挙げ、いずれも「環境生活部の見解を基に判断する」とした。利害関係人との調整については「名護市が管理する護岸、防波堤の取り扱い」をポイントに挙げた。
 審査状況も記された。公有水面埋立法の承認基準への適合状況など15の項目中、水面に関する権利者との調整などこの時点で4項目に「適合」の判断をしていたことが分かる。
 配慮されるべき利害関係人の声の例として「区民の生命財産、生活環境を守る立場から反対する」とした埋め立て予定地近隣の区長の意見などを記した。
 利害関係人3371件の意見書のうち、否定的意見が3343件、肯定的意見が20件などとまとめた。