自立目指し法人設立 四肢まひ宮城さん、IT駆使し広告作成


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自ら作成した広告が流れる電光掲示板の下に立つ宮城幸春さん=北谷町

 【読谷】頸(けい)髄損傷で四肢まひの障がいを持つ宮城幸春さん(39)=読谷村=は自ら設立した「一般社団法人さびら会」の活動を通して収入を得ることで自立につなげようと奮闘している。

パソコンなどのIT技術を駆使し、北谷町に設置した電光掲示板の広告作成や名刺業務を担う。宮城さんは「僕らにできることはたくさんある。共に働き、少しでも地域の役に立ちたい」と話し、ほかの障がい者の“入社”も呼び掛けている。
 昨年10月に設立した「さびら会」は宮城さんが代表理事、電光掲示板の管理会社を運営する池原直さん(48)が理事を務める。広告事業では現在、6団体と契約し収入を得ている。
 宮城さんは20年前の水難事故で頸髄損傷のけがを負い、首から下はほとんど動かすことができない。独学でパソコン操作を覚え、口でくわえた棒をマウス代わりに操作する。
 宮城さんは池原さんの依頼を受け、4年前からボランティアで電光掲示板の広告作成を手伝っていた。パソコン操作ができれば身体に障がいを抱えていても仕事ができるため、起業を思い立った。宮城さんがパソコン上で広告をつくり、池原さんは設置や清掃などの維持管理をするなど、できる仕事を分担する。
 さびら会は将来、各市町村に看板を設置し、災害など緊急時のテロップ放送にも24時間対応できる体制を目指す。宮城さんは「仕事のおかげで地域と関わることができる。障がいのあるなしにかかわらず楽しく仕事をしたい」と語った。
 問い合わせは一般社団法人さびら会(電話)098(989)9885。(大城和賀子)