小麦で新たな島おこし 伊江島で報告会


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パンや麺など伊江島産小麦を使った試作品をよそう参加者=15日、伊江島はにくすにホール

 【伊江】村内で民泊事業を手掛けるTAMAレンタ企画(玉城堅徳社長)が、生産者と連携して伊江島産小麦の加工開発や販売を行う「いえじま小麦プロジェクト」の報告会が15日、伊江島はにくすにホールで行われた。会場に並んだシフォンケーキなどのオリジナル加工品に、参加者は「小麦の風味がいい」などと絶賛した。

 いえじま小麦プロジェクトは沖縄県産業振興公社の中小企業課題解決・地域連携プロジェクト推進事業の採択を受けており、2年目となる。
 小麦生産に適した土壌と気候の伊江島は、琉球王朝時代から小麦の一大生産地で、島民の生活や文化に浸透した重要な作物の一つだった。その価値を再び見直そうと、16軒の生産者が伊江島小麦生産事業組合(新城良和代表)を立ち上げ、小麦生産の普及に取り組んでいる。すでに昨年から小麦を使った洋菓子やチップスなどを販売しており好評だ。
 報告会には、マーナ(菜の花)の若葉を練り込んだパンやシフォンケーキ、冷製麦そばなど10品以上のメニューが並んだ。参加者は工夫された品々に舌鼓を打ちながら「こしがあって食感もいい」などと評価した。
 玉城社長は「生産から加工、販売まで一環した取り組みが可能となる。新たな雇用も生まれ小麦を使った新たな島おこしを展開したい」と意気込んだ。
 島袋秀幸村長も「香り豊かな島の小麦が県内外で注目を浴び、高い評価を受けている。村も環境づくりに取り組みたい」と語った。
 同社は加工施設を整備し、小麦が主役のカフェも出店する予定だ。(金城幸人通信員)