EV船を共同開発 VIBE社、石垣で実用化へ


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VIBEが開発するEV船の完成予想図(同社提供)

 【石垣】バンダイナムコグループのVIBE(東京、本田耕一社長)は14日、国建、新糸満造船と共同で電気推進船(EV船)を開発すると発表した。ことし10月に完成する予定で、来春にはマリンレジャー船として石垣島で実用化を目指す。同社によると、外洋型のEV船導入は国内初という。

 開発するEV船はリチウムイオン電池を動力として採用する。陸上に太陽光発電の電源供給施設を整備し、石垣港離島桟橋を拠点に運用する予定。陸上電源は災害時の一時的な電力供給も可能という。
 速力は8ノット(時速15キロ)で、一般のダイビング船と同程度。1回の充電で2~3時間の航行が可能で、石垣島と竹富島の間や石西礁湖内で運用する。全長19・5メートル、容量19トン。アルミ合金のカタマラン(双胴船)で、船底の一部には強化ガラスを使用、船内からサンゴ礁を観察できるようにする。
 開発費用は約6億円で、県の亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術開発費補助事業を活用した。運営企業は石垣市などが参加する委員会で選定する予定。
 同計画のアドバイザーを務める山田吉彦東海大海洋学部教授は「世界遺産登録を控える地域でクリーンエネルギーのEV船を導入する意義は大きい。石垣の象徴になるような船にしたい」と話した。
英文へ→Vibe Inc. to co-develop electric-propulsion ship for use in Ishigaki Island