星の研究 南北連携 石垣島天文台×なよろ市立天文台


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
協定書を交わす石垣島天文台となよろ市立天文台の代表者ら=16日、石垣市役所

 【石垣】石垣島天文台は16日、北海道名寄市のなよろ市立天文台と交流協定を結んだ。3200キロ離れた北と南の天文台が連携し、市民同士の交流促進や共同論文発表などを目指す。

 石垣市役所で行われた調印式には、名寄市から加藤剛士市長、塩田昌彦なよろ市立天文台長、天文同好会「天斗夢視(てんとうむし)」の大谷秀二代表が出席。中山義隆石垣市長、宮地竹史石垣島天文台所長、NPO法人八重山星の会の通事安夫代表理事と協定書を交わした。
 なよろ市立天文台は名寄市、同市教育委員会、民間同好会「天斗夢視」、北海道大学が運営に参加する天文台。石垣島天文台も国立天文台、石垣市、同市教育委員会、NPO法人八重山星の会、琉球大学が運営に参加しており、組織体制が似ている。
 研究機関が設置する天文台が多数を占める中、行政、民間、研究機関が一体となって運営する天文台は国内でなよろ市立天文台と石垣島天文台の2カ所しかなく、その両天文台が手を結んだ形だ。
 両天文台共通の長所は、本州が梅雨の時期に晴れている日が多いこと。6~8月に発生する突発現象を観測しやすく、連携することで国内の他地域に先駆けた研究が望めるという。
 石垣島天文台の宮地所長は「緯度で20度も離れているが、星への思いは共通だ。運営がユニークな天文台同士が一緒になることは、全国の天文台に大きな刺激を与えると思う」と強調した。