「チャレンジ農場」研修生が初出荷 県花卉園芸組合


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
スプレーギク「ウリズン」の出荷作業に取り組む島袋智晴さん=17日、名護市豊原の「チャレンジ農場」

 「太陽の花」ブランドの県花卉(かき)園芸農業協同組合(浦添市、宮城重志組合長)が後継者育成の一環で運営する名護市豊原の「チャレンジ農場」で、初の収穫・出荷作業が始まっている。

取り組むのは、同農場で約2年前から研修を受けてきたうるま市出身の島袋智晴さん(29)。年内の独立へ日々研さんを積む。同組合は60歳前後の農家が組合員の約3分の2を占める。研修生を随時募集しながら、組合発展や新品種の開発へ向け次世代の農家育成に力を注いでいる。
 同農場は約1800平方メートル。運営には、県が2012年度に開始した新規就農一貫支援事業を活用している。13年には研修生の1人が今帰仁村の花卉農家に就農した。未経験者の島袋さんの研修期間は12年6月~14年5月。土作りや機械の扱い方、海外視察、実際の出荷作業までを学ぶ。
 「畑に来て、日々の変化を見るのが楽しみだ」。栽培するキク畑を前に、島袋さんは笑顔を見せる。
 研修前は自動車整備士として4年間働いた。うるま市にある約8千平方メートルの農場で小ギクと大ギクを栽培する父・武治さん(62)の後を継ぐため、受講を決意。今月上旬には収穫を開始し、同組合オリジナルのスプレーギク「ウリズン」を全国向けに約2万本出荷した。
 島袋さんは「今は農場を継ぐための準備期間。自立した後は、若い世代の育成や新品種の栽培にも取り組みたい」と目を輝かせる。
 現在約690人の農家が所属する同組合の平均年齢は50歳後半で、後継者育成は喫緊の課題だ。研修生を教育する企画開発課の宮城哲課長補佐は「組合を存続させていくためにも、次の世代を育てないといけない」と現状打破を強調した。同組合は随時研修生を募集している。問い合わせは同組合総務部(電話)098(860)2269。(長嶺真輝)