「名護市民の勇気に敬服」 チョムスキー氏、英字紙取材に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ノーム・チョムスキー氏

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】英字紙ジャパン・タイムズは22日付で、言語学者のノーム・チョムスキー氏のインタビューを掲載した。米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐる動きについて、チョムスキー氏は「大多数の反対にもかかわらず、安倍政権が基地の受け入れを迫って人々を抑圧しているのに対し、名護市民や稲嶺進市長はその嘆かわしい取り組みに抵抗している。その勇気に敬服する」と述べた。

 チョムスキー氏は「世界最高の論客」と評されている。普天間飛行場の辺野古移設断念と即時閉鎖を求め、1月に声明を発表した海外識者の1人。
 チョムスキー氏は移設に反対する稲嶺市長の再選を引き合いに、「民主的決断の受け入れをすぐに拒んだ中央政府は、極めて恥ずかしいことをしている」と批判した。移設計画の今後について「民主主義と将来の平和に、相当重要な意味を持つ」と強調した。
 中国と日本やフィリピン、ベトナムの間で領土問題が拡大していることについては、中国の動きを「拡張的」だと指摘しつつも、米国とその同盟国は多額の軍事費を投じ、中国を封じ込める政策を取っているとも強調。「火遊びは賢くないと歴史は教えてくれる。小さな事件が急速にエスカレートすることもある」と述べ、緊張緩和に力を入れるべきだと強調した。