学テの学校名公表も 宮古島市長が方針表明


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 【宮古島】下地敏彦宮古島市長は24日開会の市議会3月定例会で示した2014年度の施政方針で、同市の全国学力テストの結果を公表する考えを明らかにした。議会終了後、琉球新報の取材に対し下地市長は「最終的には市教委が決める」とした上で、各校の点数ではなく、成績別に3グループ程度に分けて学校名を公表する案を示した。

学力テストの結果について、学校名の公表は県内で前例がない。
 同市教育委員会は「過度の競争をあおる懸念もある。どのように公表するか今後委員会で議論したい」と慎重な見方をしている。
 同市は従来、国の結果発表に合わせ、市全体の平均点を科目ごとに公表してきた。一部学校では、PTA向けに学校の成績も示しているという。
 下地市長は「学力状況を市民に理解してもらい、一つの奮起材料にしてほしい」と公表の狙いを語った。同市教委は、生徒が学年に数人しかいない学校もあるとし、「いろんな公表の仕方がある。どう公表したら子どもたちのためになるか検討したい」としている。
 県教育庁義務教育課は「数値のみの公表を行わないことや、教育上の効果や影響等を考慮することなどを定めた文科省の実施要領を昨年12月、全市町村に送付した。市長の施政方針は、まだ決定ではないので、今後の協議を注視したい」と話した。
 琉球大教育学部の佐久間正夫教授は「公表しても学力が向上する保証はない。表層的な知識だけが詰め込まれて、社会に目が行かなくなる可能性もある」として慎重な議論を求めた。