9・29決議実現させる会 県P連、沖子連が脱退


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県P連、沖子連の脱退を承認する玉寄哲永世話人(左から4人目)ら=25日、那覇市首里石嶺町の県総合福祉センター

 「9・29県民大会決議を実現させる会」(玉寄哲永世話人)は25日、那覇市の県総合福祉センターで定例会を開き、県PTA連合会(県P連)、県子ども会育成連絡協議会(沖子連)の本年度末での脱退表明を承認した。県P連、沖子連の脱退後、実現させる会は残る5団体で活動を継続するが、脱退した2団体に活動状況を伝えながら再加入を促していく方針だ。

実現させる会の協議内容を「政治的だ」として脱退を表明した2団体に対し、玉寄世話人は「(実現させる会の活動は)平和運動であって、政治が入る余地はない」とし、「今後もずっと運動を続けていく」と話した。
 団体代表らは毎月開かれる定例会について、協議内容を理解しやすいよう勉強会や情報交換会などを適宜設けることを決めた。県老人クラブ連合会の知花徳盛事務局長は「(教科書をめぐる)今の動きは複雑だ。各会員に簡潔に分かりやすく説明する必要がある」と提起した。団体の役員交代時に、実現させる会の協議内容を引き継ぐよう呼び掛けることも確認した。
 遺骨収集ボランティア団体ガマフヤー(具志堅隆松代表)が実現させる会への加入を希望しており、3月定例会で加入について協議することも報告された。具志堅代表は「沖縄戦の事実を次の世代につなぐのは大人の義務だ。われわれは声を上げる側に回りたい」と話している。
 実現させる会は2007年の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を開いた構成団体からなり、「集団自決(強制集団死)」の軍命を歴史教科書に明記するよう求めている。県P連と沖子連は1月、実現させる会の協議内容を「政治的」だとして会からの脱退を表明していた。
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「平和教育とは別」 県P連・伊敷会長
 「9・29県民大会決議を実現させる会」の脱退承認を受け、県PTA連合会の伊敷猛会長は「PTAとして平和教育に取り組む必要性は感じているが、それと実現させる会の協議内容とは別物だ」と話した。実現させる会の再加入を促すという方針に「戻ることは特に考えていない」と述べた。